鍵屋は鍵の専門家であるとともに空き巣の専門家でもある

知っておいて損は無いと思いますので、今回は「空き巣」についてです。

本来ピッキングというのは、鍵師の正当な技術ですので、誰それ構わずピッキングしても良いというわけではありません。日本には「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」というのがあり、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具の所持・指定侵入工具の携帯を禁止しています。鍵師は、法に触れない証しとして国家試験ではありませんが、鍵師としての認定を受けています。

少々前段が長くなりましたが、空き巣の手口の大半は「無施錠=鍵のかけ忘れ」と「ガラス破り」によるものです。俗にいう「泥棒」は、偶然通りがかった家に侵入するようなことは殆(ほとん)どなく、完全犯罪をどのように行うか入念なロケハン(下見)を行い、綿密な計画を立ててから空き巣に及びます。そして、電話をかけたりインターホンを鳴らしたりと、留守の確認をしてから家の中に侵入し、5分程度物色して退散します。ピッキングが話題性の高い映像になりやすいので取り出されていますが、実際は至ってシンプルな犯行です。

周りから死角となるような窓やドアがある家、2階へ外から登りやすい家、簡単にベランダに入れるような家などは、空き巣による魔の手がのびる危険が高いので、十分注意する必要があります。当たり前ですが、家の合鍵は玄関付近には絶対に隠さない。長い期間家を留守にするときは、新聞や郵便物がポストに溜まらないように配達を止めてもらうなど、犯行の種となるようことにならないよう気をつけましょう。また、表札や玄関周りに怪しいマークやシールがないか、文字が書かれていないかを確認し、狙われていないか日頃から“自分の家を監視する”ことが大切です。窃盗の被害に遭うことのないよう普段から「防犯対策」に心がけてください。